- はじまりは、
およそ260年前 -
江戸時代中期の頃のことです。
巡国の修験者(六部行者)がこの地を訪れた際、病を得て倒れました。森岳歌舞伎の物語はここから始まります。村人たちはこの修験者を手厚く介抱し、修験者はこの地の神社に籠って祈願をしました。そのおかげで修験者は快方に向かい、修行を続けることができました。そのお礼にと修験者が披露した歌舞伎が森岳歌舞伎の源流と言われます。
これ以来、260年の長きにわたり毎年旧暦8月15日の夜に、鎮守八幡 神社に五穀豊穣と家内安全を祈願して地元の住民(敬神会)により森岳歌舞伎が奉納されてきました。近年は9月の敬老の日の前日に、八幡神社の祭典に併せて森岳歌舞伎を奉納し、豊かな実りと地域の安寧を願い続けています。
- 長きに渡り、
受け継がれる伝統文化 -
平成3年3月、
森岳歌舞伎の伝統を継承する熱い想いの有志によって「森岳歌舞伎を守る会」が設立されました。同年8月には「森岳歌舞伎保存会」に改称して、地域の伝統と文化を守る活動を続けています。260年有余にわたり森岳歌舞伎の伝統が守られてきたのは、地域住民のご先祖様への真摯な尊崇の念と、地元の伝統・文化を大切にする自然な魂のなせる業であり、これからもこの地域の宝物として子々孫々まで受 け継がれていきます。
森岳歌舞伎の歴史
約260年以上前 修験者による歌舞伎伝授。
以来、五穀豊穣と家内安全を祈願して鎮守八幡神社に歌舞伎を奉納。
昭和 54年 7月 | 山本町(現三種町)指定無形民俗文化財 |
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平成 3年 8月 | 森岳歌舞伎保存会設立 |
平成 18年 2月 | 農村歌舞伎会館完成 |
平成 18年 3月 | 農村歌舞伎会館竣工神事(入魂織) |
平成 18年 5月 | 農村歌舞伎会館こけら落とし公演 (一谷嫩軍記 あばら屋の段) |
平成 26年10月 | 国民文化祭 地歌舞伎の祭典 |
平成 29年 9月 | 三種町伝統芸能の祭典 |
森岳歌舞伎会館の改修時期上記に記載。
それまでは、歌舞伎小屋「芸術会館」と称した古い建物を使用していた。
これまでの演目一覧
- 白浪五人男稲瀬川勢揃の場
- 忠臣蔵(外伝)新崎與五郎の生立ち
- 一谷嫩軍記
- 太閤記九段目組打の場
- 仮名手本忠臣蔵
- あばら屋の段
- 太閤記十段目尼ケ崎の場
- 五段目山崎街道の場
- 須磨の浦の段
- 義経千本桜伏見稲荷鳥居の場
- 六段目早野勘平住家の場
※持ち技
台本は、中央の本歌舞伎と同じです。本来、歌舞伎、歌舞伎狂言は同じでも地方には地方の特色があり、台本には無い場面も出てきます。
村歌舞伎、村芝居、農村歌舞伎等、いろいろな呼び名があります。